千葉
<システム・監督>
長谷部→エスナイデル
新監督の掲げるテーマは、「前からのボール奪取」と、複数システム(3-1-4-2、3-4-2-1、4-4-2など)の併用。これを普通に解釈すれば、対戦相手のシステムにマッチさせる形で前線からのプレスをかけやすい布陣を敷くということだと思うので、このあくまで前プレに拘る姿勢が長丁場のJ2において、どのように機能あるいは変遷していくのかが見どころになるのかなと。

<GK>
神戸から山本を獲って、佐藤優、岡本は残留。アラサー世代が3人になってダブつき気味にも思えるが、山本は近年怪我が多く、佐藤は去年調子が良くなかった上、タイプ的にGKにも運動量が要求される今年の戦術に合うかどうか不安な面もあるので、シーズン通して考えれば、「3人いて良かった」ということになるのかなと。

<DF>
ちばぎんカップのスタメンは、中央にディフェンスリーダーの近藤、右にスピードとビルドアップに優れた若狭、左に高さと対人の強さに定評のある西野というバランスの取れた3人で形成。イ・ジュヨン、多々良、岡野、大久保と控える選手層に関してはJ2上位レベルだろう。

<MF>
WBは4バック採用時にはSBとなるが、ここで記す。右は北爪と溝渕、左は新加入のサリーナスと乾の争い…なんだけど、左はアベショーさん使って、サリーナスにシャドーやらせるほうが守備に関してはしっくり来そうな気もする。アベショーさんがちばぎんでベンチにも入ってないので、戻ってきたらそういう起用もあるのかとは思うけど。

中央はひとまず3-1-4-2で考えると、中盤の底にはアランダが入って、佐藤勇がバックアッパーか。2ボランチの場合があるにせよ、かなりの運動量が求められるポジションだけに、ベテラン2人の構成というのは不安が残るところ(山本とか羽生が入るにしても、同じことだし)。長澤はともかく、富澤さんには残ってもらったほうがチーム事情的には助かったのではないか。
インサイドハーフは町田と山本がファーストチョイスで、ルーキーの高橋や熊谷、菅嶋、あるいはサリーナスも加わっての定位置争い。ある程度の運動量に加え、攻撃を組み立てられるテクニックや適切なポジショニングなどサッカーセンスの高さが求められる。

<FW>
ここも2トップを基本にして考えると、ラリベイと清武がファーストチョイスで船山(菅嶋もこっちかも)がバックアッパーという感じなのかなと。ただ、船山も前線からの守備がハマってショートカウンターが利けば、裏へ抜けるスピードや技術が生かされやすくなるとは思うので、チームが軌道に乗り始めるごとに貴重な存在になっていくはず。
不安があるのはラリベイと同タイプ(収められる選手)が他にいない点で、昇格を目標に掲げるなら、もう1枚は陣容に加えておきたい。 

<総合>
こういうスタイルのサッカーは、とにかく信じて鍛えてやり抜き、成熟度を上げていくことに尽きるので、序盤に結果が出ないような状況でも、いかに我慢して取り組めるかにかかっているのかなと。
逆に見切りをつけるなら、それはそれで早いに越したことはないとも言える。中途半端なタイミングでバタバタして混乱することがないよう、フロントの判断力も問われる。 


群馬
<システム・監督>
服部→森下
磐田、鳥栖を率いた経験を持つ森下監督が就任。この人も、以前は特定のシステムに依拠せず、相手に合わせて3バックにしたり4バックにしたり…という記憶があるのだけど、ひとまずPSM大宮戦では3-4-2-1を採用した模様。戦術上のキーマンである鈴木崇文の適正位置が3バックならシャドー、4バックなら右SHとなり(3バックのWBは運動量など守備の面で不安あり)、後者の場合も3バック時右CBの舩津が右SB、同右WBの高橋が左SHへ移ることにより、試合展開等によっても素早く4バックに組み換えられるのは利点なのかなと。
戦術的には、守備時5-4-1になってベタ引きするのではなく、ライン高くして積極的に前から奪いに行く姿勢を掲げているとのこと。どうしてもこの手の戦法は時間が掛かるので、戦術の浸透・錬成が不十分なうちはやられることも多いだろうけど、機動力のある選手が揃い、選手層の厚さもまずまずあるだけに方向性としては面白いのではないかと思う。

<GK>
PSM大宮戦では昨季の絶対的守護神清水ではなく、昨季は鳥栖に在籍していた新加入の牲川がスタメン。清水のコンディションに不安があるのか、あるいは戦術的にGKの守備範囲が広めになる点を考慮しているのか。勿論、U-23五輪代表メンバーでもあった牲川の実力を素直に買っているという可能性も大いにあるだろう。

<CB>
同大宮戦では左にパク・ゴン、中央に川岸、右に舩津の3枚。確かに迫力はあるけど、それゆえ引っ張られすぎることがないよう、真ん中の川岸がしっかり制御したい。一柳、坪内とベテランが控え、移籍加入の市川や新卒の藤原はどこまでアピールできるか。

<MF>
両ウイングバックは右に運動量が豊富で得点力もある高橋。左には本職SBのレフティー阿部(新加入)。CB陣も含めれば、右にスピード豊かな2枚、左に足下の技術がある2枚(阿部とパクは確か福岡でも一緒に3バックをやってた記憶があるので、連携もスムーズな筈)が並んでおり、慣れてくれば左で作って右に大きく展開というパターンが増えてくるのかも。右に一柳、左に高瀬がセカンドチョイスか。大宮からレンタル加入の川田拳も右サイドでチャンスがありそう。
ボランチは看板選手の松下に加え、昨季は2列目で活躍した2年目の山岸がレギュラーに加わってきそう。配球の上手さはもちろん、大型の割に機動力もあり、また持ち味である懐の深いボールキープはチームに安定を齎すことだろう。大宮戦では途中出場した大卒ルーキー岡庭も途中出場。定位置争いで偉大な先輩(松下)をどこまで脅かせるか楽しみだ。また、5年ぶりのJ復帰となる村田(闘将時代の水戸にいた選手ですね)の奮起にも期待したい。

<FW>
1トップ(岡田)2シャドー(左に高井、右に鈴木)は新加入の3選手が並ぶ。
湘南時代に14ゴールをあげた経験もある岡田はDFラインと駆け引きしながら裏へ飛び出す嗅覚に優れ、守備面でも切り替え早くファーストディフェンダーとしての責務を全うする姿勢が出色。鈴木はJ2屈指の強さと上手さを兼ね備えた左足を生かして、自らゴールを狙い、少し下がった位置で受ければ裏のスペースに効果的なパスを供給、ときには自身がパスを引き出す側として裏に飛び出し、フィニッシュに絡んでいくこともありそうだ。
鳴り物入りの新卒選手高井も万能型のストライカーとして、多くの得点機に関わっていくだろう。
リザーブとしては、今季で41歳となる盛田が甲府から加入した。使い方と起用時間を限定すれば、攻守両面にまだまだ別格の存在感を放つ。小牟田やイ・ガンウは盛田加入の分、当面の出場機会はは経るかもしれないが、見習うべきは大いにあるはずだ。京都からレンタル加入の石田や来日2年目のマテウスにもチャンスあり。

<総合>
冬市場の序盤は、瀬川、中村駿、乾らの退団など心に隙間風が吹くようなニュースが続いたものの、最終的には良い陣容が整い、戦い方もそれなりに固まりつつあるわけで、概ねポジティブなムードのもと開幕を迎えられそうそうだ。岐阜や讃岐と同様、是が非でも中位以上への進出を果たさねばならないシーズンだろう。