大会も残すは2日間・3試合のみ!絶対王者の3年ぶり奪還が有力視される中、いずれも夏の初出場を目指す公立3校に勝利への秘策は?まずは明日の4強から目が離せません。


大和広陵×奈良
夏3年連続4強入りの広陵と4年ぶりの4強入りとなった奈良、いずれも強打を持ち味とするチームですが、8強では広陵がサイド右腕山田の完封、奈良は左腕下井と右サイド山下の1失点リレーで勝利と守りの面でも収穫を作り、この試合に挑みます。
外しまくりなので、打ち合いか投手戦かという予想はもうしませんが、お互いにきちっと守り合うポテンシャルもあれば、一つのキッカケから一気に大量点が入り、コールドになりうるほどの点差がつくような試合になりうる脆さもある。結局はシンプルにあらゆる鉄則を守り通せた方が勝つということになるのでしょう。
とりわけ、奈良はこだわり抜いた打順の状況に応じた役割の徹底、広陵は前の試合のような打たせて投球に応える守備陣の安定が鍵かなと。

天理×畝傍
天理は昨夏も左打者が多く並ぶ畝傍打線に左腕信田をぶつけ、手も足も出させない2安打かそこらの完封勝利。
試合自体はロースコアの競り合いで、天理サイドの拙攻も目立ちましたが、ランナーを出すこともままならない状況では、いかに巧者畝傍としても反撃の糸口さえ掴むことができませんでした。

明日の試合も背景はよく似ていて、昨夏を経験している安倍、井上、岡端を中心に畝傍打線はやはり左打者が多く、それでいて新チーム以降、左投手との対戦は殆どない(幾つか未確認の試合がありますが、おそらく8強でちょっとだけやった高商の角田くんが初めてなんじゃないかなと・・・)。そこに天理の森浦くんクラスが来るとなると、攻略は容易ではありません。
勿論、最大の焦点は坂本くんのコンディションが今ひとつという中で、起用法の面も含めいかに天理打線を封じていくかにあるのですが、昨年のことがあるだけに、打たないことには始まらないという思いも強い。とにかく、最初の攻撃で1~5番まで続く左打者がどれだけ嫌なイメージを植え付けられるかですし、塁に出たときの駆け引きに関しても、最初の仕掛けで何を出来るかが肝心。具体的なことは試合を観てみなければ分かりませんが、何でもやって大いに天理サイドを慌てさせてもらいたいものだなと期待しています。


で、投手起用のことですが、昨夏の天理戦、前監督の百合さんが仕掛けた1年生吉永くんの先発抜擢は誰もが度肝を抜かれたでしょうし、決して奇抜というだけにとどまらず、度胸満点に緩いボールを多投して天理打線のリズムを大いにかき乱した「実質」の点でも十分に的を射た采配でした。
この試合、大和広陵を率い、次の智弁戦を控えていた若井現監督にとっても強い印象として残っているはずで、明日の用兵にどういった影響を及ぼすのか。後は明日を待つ他ありませんね。

予想は奈良、天理。10年前の再現なら広陵なのですが、敢えて裏切ってみました。