IN
安樂智大 投手 ←済美高 ドラフト1位
小野郁 投手 ←西日本短大付高 ドラフト2位
福田将儀 外野手 ← 中央大 ドラフト3位
ルシアノ・フェルナンド 外野手 ←白鴎大 ドラフト4位
入野貴大 投手 ←四国IL徳島 ドラフト5位
加藤正志 投手 ←JR東日本東北 ドラフト6位
伊東亮太 内野手 ←日本製紙石巻 ドラフト7位

キャム・ミコライオ 投手 ←広島東洋カープ
ジム・ハウザー 投手 ←前楽天
ケニー・レイ 投手 ←Lamigoモンキーズ(台湾)
藤江均 投手 ←横浜DeNAベイスターズ
ギャビー・サンチェス 内野手 ←ピッツバーグ・パイレーツ(MLB)
ゼラス・ウィーラー 内野手 ←ニューヨーク・ヤンキース(MLB)
山崎浩司 内野手 ←埼玉西武ライオンズ

OUT
ブライアン・ファルケンボーグ 投手
ルーク・ファンミル 投手
トラビス・ブラックリー 投手→サンフランシスコ・ジャイアンツ(マイナー契約)
井坂亮平 投手→引退
木村謙吾 投手
有馬翔 投手
セルジオ・ミトレ 投手
ケビン・ユーキリス 内野手 →引退
ザック・ラッツ 内野手→斗山ベアーズ(韓国)
ニック・エバンス 内野手
ジョン・ボウカー 外野手
アンドリュー・ジョーンズ 外野手
仲澤広基 内野手 →引退
中島俊哉 外野手→引退
神保貴宏 外野手 →引退


主な退団選手
ファルケンボーグ 代替戦力:ミコライオ
20セーブを上げ一定の役割は果たしたが、起用面の制約が多く、39試合登板では物足りなかった。高額年俸もネックとなり、ミコライオとの入れ替わりならばプラス収支に。
ジョーンズ 代替戦力:サンチェス
不動の4番もやはり成績に対する高額年俸が契約延長へのネックに。人望もあり、残留を願う声は多かったが・・・
ボウカー ラッツ エバンス 代替戦力:ウィーラー、枡田慎太郎、牧田明久
得点力不足解消のため、シーズン途中で立て続けに獲得された新外国人たちだが、救世主とはなれず揃って退団。



<ドラフト評価とその他補強に向けての展望>
田中という絶対的存在が抜けた穴をまざまざと感じさせられたシーズンゆえに、来季の巻き返しへ向けて、どうしても目先の即戦力投手が欲しくなるであろうところ、ぐっと堪えて安樂という「器」に賭けられるのだから、この球団のかような良き伝統にはただただ敬意を表すばかりだし、創設10年目の若い球団に「伝統」という文字を惜しげもなく捧げるところに、その間の濃密なる軌跡を感じ取ってほしい。
以下、2位でも即戦力投手に目もくれず基盤地区の1つでもある九州の快腕小野を指名し、昨年の松井&内田に続く高卒選手の1~2位W指名。 さらに3~4位で左打者偏重の野手陣、とりわけ人材が枯渇仕切っていた右の外野をテコ入れすべく、タイプの違う大卒の外野手福田ルシアノを獲得すると(個人的には2位で投手以外に江越を獲るのかもと思っていましたが、小野を優先ということで、その分の補填という意味でも2人を獲れたのは大きかったのかなと)、5位以下で即戦力投手獲得に移り、四国リーグ屈指の右腕入野、地元の社会人投手右アンダーハンドの変則加藤と続く。そして、最下位ではもう一枚地元の社会人選手、やはりチームに不足する左のスラッガー候補の伊東を獲って選択終了となっています。

以上、上位では有するエンジンの大きさを重視し、中位では的確な弱点補強、そして下位では地元の選手から一癖ある個性派を抑え・・・とドラフト戦略の正道を往く非常に中身のあるドラフトになったのではないでしょうか。強いて言えば二遊間の選手・・・というところでしたが、全て上手く行くわけではないですから、来年へ持ち越しつつ、三好ら既存戦力の台頭に期待するという来季になるでしょう。
また、今オフでの「その他」補強に向けては、トライアウト組やトレード補強で穴を埋めつつ、投手・野手とも外国人補強でどれだけ軸となる選手を探り当てられるかが鍵となりそうですが、先ずは嶋をはじめ、AJ、ファルケンあたりの去就がどうなるかですよね。

<その他補強評価>
嶋の慰留に成功するなど国内選手の目立った移動はなく、外国人選手の入れ替えがメーンのストーブリーグに。上記したファルケンボーグ、AJは結局ともに退団となり、代役候補には広島でクローザーとして活躍したミコライオとメジャー通算61発の大砲サンチェスを獲得。さらに内外野をこなすユーティリティのウィーラー、13年シーズンまで在籍し、日本一にも貢献した左腕ハウザーと右腕レイの復帰も決まり、唯一残留の決まった豪腕クルーズを含め、6人体制で春季キャンプをスタートさせることとなった。
また、日本人選手ではトライアウト組から中継ぎとして実績のある藤江と松井の外野転向で層の薄くなった二遊間の補強に4球団を渡り歩いてきたベテランオールラウンダー山崎を獲得。いずれも貴重なバイプレーヤーとして戦力になる可能性が高い実力者だ。

<2月以降の展望>
「補強」という意味では、先発と中軸候補にもう1枚ずつの主力クラス獲得を望みたいところで、立花球団社長も開幕までの期間での更なる外国人選手補強を明言している。一部報道で挙がったペーニャ(前オリックス)やアンドリュー・ブラウンとの交渉がその後どうなっているのかは分からないが、優先順位としてはやはり中軸候補の方にあるようで、2月中にも何らかの展開があるものと思われる。


主要選手別分析
ハウザー
<ノルマ>先発・中継ぎ問わず、チーム事情によって起用できるのが強み。便利屋的起用も厭わず投げ抜けるか。 

レイ
<ノルマ>40歳という年齢的にもフル稼働は厳しい。左の川井と並び、台所事情の厳しい時期に先発やロングリリーフで貢献を。

ミコライオ
<ノルマ>腰痛の影響などから移動日当日に投げられないことが多いというのは意外に他球団ファンに知られていないのかどうか。。そういう意味でファルケンを見下ろせるほど起用しやすいクローザーではないものの、もちろん能力の高さに疑いはない。シーズン通じて抑えにハマり、30セーブ前後の数字は残せるはず。

藤江均
<ノルマ>通年で働くタイプではないものの、良い時期には手を付けられないピッチングをするというイメージがDeNA時代。キレのあるまっすぐとフォーク主体のリリーバーらしいリリーバーが仙台の地でもう一花咲かせるか?

安樂智大
<ノルマ>肘の影響が少ないのなら当然1年目からの一軍起用も見込める素材。球団としてはあくまで慎重に状態を見極めながら・・・という構えで、後は実際の動向を追っていくほかなさそうか。

サンチェス
<ノルマ>厳しいマークが予想される中ではあるが、2割8分、25本、85打点くらいは望みたい。

ウィーラー
<ノルマ>巨体に似合わず、遊撃もこなすという触れ込みでそのユーティリティ性は貴重も、立場的にある程度打てないことには役割を果たしきれない。チーム状況の要請に応じつつ、2割7分15発前後をマークできるか。

山崎浩司
<ノルマ>5球団目となる新天地でもいぶし銀の魅力を放ちたい。キャンプ早々正遊撃手候補筆頭の西田が離脱し、攻守に円熟味あるベテランに対する期待も高まる。

福田将儀
<ノルマ>はつらつプレーの大卒ルーキーが機動力野球を標榜する「大久保・楽天」の申し子となれるか。猛アピールで熾烈な中堅争いに参入し、まずは開幕一軍入りを果たしたい。
 

<ブレイク期待の若手投手>
濱矢廣大
期待の長身サウスポーは角度を活かした右打者へのクロスファイアが最大の持ち味で、年齢的にも社会人2年目とは言え、今月22歳になるばかりと今が伸び盛り。初勝利をあげたルーキーイヤーから更なる上積みを果たす今シーズンとできるか。

<復活期待の中堅投手>
美馬学
13年日本シリーズMVPが昨年は怪我にも泣き、まさかの2勝止まり。その右腕の貢献なくして覇権奪回は成し得ない。

<ブレイク期待の若手野手>
三好匠
昨季はファームで13本塁打を放った期待の主軸候補。西田の負傷により、遊撃の定位置争いが激化するキャンプ~オープン戦期間の猛アピールで開幕1軍切符を掴みたい。

<復活期待の中堅野手>
枡田慎太郎
星野前監督が長く目をかけてきた主軸候補も成績にムラがあり、なかなか不動のレギュラーを掴むには至らない。守備への不安を解消するべくDHでの起用も模索されるが、それも打の才能に対する期待あってこそ。サンチェスの後を打つ5番に定着し、新たな補強を必要としないような活躍を!