今回は二遊間と外野について。もっと文量を割いたほうがいいのかな?という気もしますが、まあいいか。

二塁 メイン:菊池 サブ:安部 木村 2軍:上本 庄司 小窪 故障者:東出 松本

東出が左膝十字靭帯断裂で今季絶望、松本もアキレス断裂で長期離脱の憂き目を見る一方、大卒2年目の菊池がレギュラーに定着し、丸との1・2番コンビで猛アピール、2軍では大卒ルーキー上本が開幕から好調なパフォーマンスを示しており、差なく追う高卒4年目の庄司も含め、世代交代のムードがきわめて色濃くなってきた。
菊池については、昨季からの成長は伺えるものの、まだまだ粗さの残る打撃、さらに精度を高めたい走塁、凡ミスの多さを克服したい守備と課題も多い。それでも、チームOBの高橋慶彦を思わせるずば抜けた身体能力によって体現されるその溌剌としたプレースタイルは近年のチームに欠けていた「破天荒」を象徴する存在で、首脳陣から多少のミスや粗さには目を瞑ってでも起用するだけの価値を見出されている現状だけに、さらに成長しながら今季を「大ブレイク」のシーズンにして貰いたいもの。
木村、小窪、安部もこの位置でのプレーをハイレベルにこなせる存在で、実績ある二枚を欠くとはいえ、センターラインの補強にこだわってきた近年の補強が功を奏し、大きな不安には至っていない。


遊撃 メイン:梵 安部 サブ:菊池 木村 2軍:上本 鈴木誠

昨年10月に右膝の手術を受け容態が心配された。しかし、順調なリハビリ、調整を経て、無事開幕1軍の座を掴み、ここまで大きな不安なくプレーを続けている。ただ、首脳陣も長いシーズン、全体を考えた上で体調に配慮、常時スタメンにはこだわらない起用をしており、併用される存在として高卒6年目の安部が存在感を高めている。走塁と守備はすでに遜色なく、懸案だった打撃面でもだいぶ力強さが増してきた若手の台頭により、質の高いローテーションが可能となっていることは今後に向けての明るい材料となっていく。
また、梵が開幕1軍に間に合わないならこの位置のレギュラー候補としても計算されていた菊池、高校、大学ではこの位置が本職で、ファームで二塁と並行して起用されている上本も、ポジションの層を確実に厚く出来る存在。もちろん、ユーティリティの木村は変わらず貴重な戦力だ。ファームで開幕からスタメン起用される試合が多く、英才教育で未来のレギュラー候補と嘱望される高卒2位ルーキー鈴木誠も含め、3年後が楽しみになるラインナップが揃っている。



左翼 メイン:ルイス エルドレッド (松山) サブ:中東  2軍:岩本 迎 土生 中村憲 高橋

新3番候補として期待の大きかったルイスだが、未だストライクゾーンに戸惑っていることもあり、ここまでは迫力不足を否めない。7番に降格、対左投手時はスタメン落ちと首脳陣も比較的早い時期からショック療法に打って出ている印象で活躍が待たれる。エルドレッドは、ルイスが対左投手時スタメン落ちするときにこの位置のスタメンとして起用されている。
2軍の中では大卒2年目の土生が昨秋フェニックスリーグ以降の好調を持ち越している印象で昨季の不調も糧に、1軍昇格近しの印象を与えている。ドラ1ルーキー高橋はまだまだこれからという時期。

中堅 メイン:丸 サブ:赤松 (松山)  2軍:天谷 
何と言ってもの活躍が大きい。開幕14試合を終え打率は4割超え、持ち味である選球眼の良さも発揮し、出塁率リーグ1位、走ってもここまでリーグトップの6盗塁とリーグ随一のパフォーマンスを見せている。もちろん、現状での過大な称賛は不要、あくまでどれだけコンスタントにやれるかということではあるが、その意味でもまずは最初の難所とも言える9連戦を含んだ大型連休明けまでにどれだけ数字を維持できているかが見ものだ。
この丸の活躍により、現状守備固めに留まっているのが赤松。試合終盤の戦力として不可欠な存在ではあるが、本人はさらさら満足していないはず。DH制採用により、チャンスの生まれうる交流戦もあるだけに、少ないチャンスで結果を残し、レギュラー奪還を目論む。
また、2軍では昨季同様ウエスタンの主力としてシーズンを開幕させた天谷の存在が気にかかる。昨季はここから這い上がって6月~7月にかけて上昇気流に乗るチームともどもレギュラーへと返り咲く活躍を見せたが、ルイスの状態が低調なままであれば、今季も必ずチャンスは訪れる。人気の高い選手ということもあり、復調を待つ声は多い。
ちなみに、1試合だけですが、攻撃的な試合終盤のオプションとして、松山センターというシフトが採られた試合もありましたよね。レフトルイス、ライトエルドレッドという正真正銘の「ファイアーフォーメーション」ですが、まあ、エルドレッドが思った以上に外野守備で動けているのは収穫といえるのかも。代わりにルイスが下馬評以上に危なかっしいんだけどね。。

右翼 メイン:松山 廣瀬 (エルドレッド) サブ:丸 2軍:鈴木将 故障者:下水流
オープン戦好調で2年連続開幕スタメンの地位を掴んだ松山は期待されながら重圧の大きさの前に呑み込まれた昨季の反省を生かし、バットコントロールに優れた持ち前の打撃センスを披露。対右投手時のスタメン起用が続いている。チャンスで一本出るケースが増えてくれば、よりチーム内での信頼度が高まっていく。
また、怪我に泣き不振のシーズンが続いていた廣瀬も開幕3試合目のスタメン起用で結果を残して鈴木将との1軍枠争いに競り勝つと、その後も対左投手時のスタメンで多く起用を受け、ここまでチームトップタイの2本塁打を放っている。
エルドレッドは対左投手先発時、ルイスがスタメン起用された場合にはライトで起用されているが、廣瀬が信頼度を高めている現状、外野出場時にはレフトでのスタメンが増えていきそう。また、リードしている試合後半などに赤松がセンターに入った場合には丸がこの位置にシフトされるケースが多い(中東がレフトの守備固め)。

2軍では、キャンプ、オープン戦と結果を残し高卒8年目で開幕1軍入りを果たしながら、開幕3戦目のスタメン機会で結果を出せず、2軍落ちの悔しさを味わった鈴木将が再チャレンジを期し、結果に飢えている。
また、キャンプ~オープン戦序盤に鮮烈な印象を残した社会人出身ルーキーの下水流はオープン戦終盤に「右長内転筋損傷」により無念の戦線離脱。しかし、その活躍がチーム内に激しい競争意識を生んだのはたしかで首脳陣からの評価も高い。3軍調整となっているが、1日も早い回復を期待したいもの。


代打 前田智 中東 木村  対右投手先発時:栗原、廣瀬 梵 対左投手先発時:松山 ルイス 安部
今季も一振りに賭ける大ベテラン前田智は健在。今季もここまで7打数3安打と熟練の技術は錆びつかない。試合を左右する一打を一本でも多く放ち、チームを悲願のリーグ制覇へと導けるか。
このほか、相手先発の左右によって、栗原廣瀬松山ら豪華な代打陣が控える。また、小粒ながら木村中東も要所で一打を放つ力量は具えている。