投手の△は左腕 野手の△は左打ち 野手の◎は両打ち

IN
白崎浩之  内野手  ←駒大(ドラフト1位)
三嶋一輝  投手    ←法大(ドラフト2位)
井納翔一  投手    ←NTT東日本(ドラフト3位)
赤堀大智  外野手  ←セガサミー(ドラフト4位)
安部建輝  投手    ←NTT西日本(ドラフト5位)
宮崎敏郎  内野手  ←セガサミー(ドラフト6位)
今井金太  投手    ←広島国際大付属高(育成ドラフト1位)

△エンジェルベルト・ソト 投手  ←中日  

ホルへ・ソーサ  投手  ←中日
△神内 靖 投手  ←ソフトバンク(トレード)
吉川輝昭  投手  ←ソフトバンク(トレード)
△土屋健二 投手  ←日本ハム(トレード)
鄭凱文 投手 ←阪神
トニ・ブランコ 内野手 ←中日
多村 仁志外野手 外野手 ←ソフトバンク(トレード)
△ナイジャー・モーガン 外野手 ←ブルワーズ(MLB)


OUT
△山本省吾 投手 →ソフトバンク(トレード)
江尻慎太郎 投手 →ソフトバンク(トレード)
福山博之   投手 →楽天(フリー)
△ブランドン・マン 投手 →ナショナルズ(マイナー契約)
ジオ・アルバラード 投手
△ボビー・クレイマー 投手
小林公太 投手 →インディアンス(マイナー契約)
大沼幸二 投手 →引退
清水直行 投手
新沼慎二 捕手 →引退(DeNA・2軍コーチ)
オスカー・サラサー 内野手 
大原淳也 内野手 →四国IL・香川
ランディ・ルイーズ  内野手 →ホワイトソックス(マイナー契約)
△高森勇旗 内野手 →引退
吉村裕基 外野手 →ソフトバンク(トレード)

△北篤 外野手   →日本ハム(トレード) 
ドラフト評価 80点
12球団でもっとも先発投手が必要なチームが、1位東浜を外した後、ハズレで野手の白崎を指名した戦略については賛否あるとは思います。ただ、結果としては2位以降で三嶋井納安部と即戦力クラスの投手を3人確保できたし、懸案の左腕についても、「その他」でしっかり補強している。左腕では、それプラス地元ENEOSの大城あたりは即戦力になりうる存在だったと思うので、指名しても良かった気がするのですが、総じて投手陣の層は厚くすることができたオフではあるだけに、ドラフトの観点から見ても、大きな戦略ミスがあったとまでは言えないでしょう。また、白崎に関しては他にもハズレ1位評価をしているチームもあったと思うので、リスト上位の選手を比較した上で、そういうリスクも考えて、一番可能性の高い方法を採ったのかもしれません。
また、今季こそブランコ、多村の獲得でラミレス中村ら右の強打者が揃う陣容になっているものの、4人中3人が35歳を上回るなど年齢的に見ればあくまで短期的なもの。中長期的視野で見れば、依然層の薄さは否めず、今ドラフトで白崎にとどまらず、宮崎赤堀と社会人出のパンチ力ある右打者を獲得しているのも意図を感じる指名といえるのではないでしょうか。1軍入りへ向け、当面白崎は嶋村、宮崎は後藤、赤堀は井手と格好の「ペースメーカー」になりそうな中堅~ベテランがいるだけに、主力陣を補う、彼らの間で熾烈な競争が起こってくれば、それだけ戦力的な分厚さが増していくことにも繋がってきます。
一部には筒香と白崎のポジションが被るという声もありますが、正直その点はどうにでもなると思うんですよね。どっちかを一塁に回すなり、外野に回すなり。カープで言えば、堂林と重なるからサードは要らないとか言われても、堂林外野にすりゃええやんって話ですし、何よりホットラインに打力のある国産選手が多いに越したことはないわけですからね。

その他補強評価 90点
数打って当たらない状態が続いていた助っ人外国人に中日で実績を残した3選手が加入したのが最大の補強でしょう。近年、他球団で実績を残してきた外国人選手が横浜に来ると低調なパフォーマンスに終始し、日本を去るケースが少なくないだけに、実際に活躍度を見てみないとなんとも言えないところがありますが、ただタイトル経験者の長距離砲ブランコに、先発左腕ソト、セットアッパーのソーサと補強ポイントに該当する戦力であることも含め、プラスでないわけがない。最下位脱出、あわゆくばCS入りへという目標に向け、フロントが資金を惜しまない環境のあるうちに、結果を出して行かなければならないし、そういう意味で手段として色々意見はあると思いますが、セリーグのライバルであるカープファンの立場からすれば、素直に「嫌な補強をしてきたな」という一言です。
俊足強打のメジャーリーガーモーガンに阪神から移籍の鄭凱文も加え、一気にブラッシュアップされた今季の助っ人陣。ブランコ、ソトとフルシーズンで働くには不安も多いだけに、王溢正含め、通年での枠争いも激しいものになってきそうです。

その他、2件のトレードに関しては、対ソフトバンク 対日ハムの旧ブログ時代に書いた記事をご参照いただければと思っていますが、古巣復帰の多村吉川が新シーズンにかける意気込みは強く、神内も先発・中継ぎいずれかで貴重な戦力になりうる(多少期待されすぎてる感はありますが・・・)、地元高校出身の土屋も今回のトレードが良いキッカケになれば・・・というところ。「出血」という意味では、昨季あまり戦力になっていない選手を放出した形で大きくはないですし、総じて実入りの良い補強になったのではないかなと。

総合評価 85点
バランスよく順調な補強ができたオフ、欲を言えば名前の挙がったメジャー経験のある大物(特に松坂)の名前があれば・・・というところですし、これでも先発の陣容は他チームに比べ見劣りする感は否めないのですが、他のセクションに関しては、十分に戦えるラインナップが揃った。好調に仕上がる三嶋、井納のルーキーコンビやソトなど新戦力の刺激も受けながら、決して候補がいないわけではない先発陣さえ整ってくれば、遂に定位置を抜け出す1年とできるかもしれないですね。名うての高田GMらしい当を得た補強でボリュームアップに成功したオフ、とりあえずは合格点とできるのではないでしょうか。