今のJはどんな予想をして、ツッコミを受けても「シーズン終わってみないと分かりませんよ」という言い訳が成立するので、楽というか何というか(もちろん、出た結果に対しては言い訳無用ですけどね)。去年にせよ、広島優勝、ガンバ降格なんて、片方でさえ予想している識者を見た覚えがなかったですから。。(ガンバ優勝や広島降格という予想の識者はいましたけど)・・・
今年はJ1、J2とも去年よりは輪郭の見えやすい下馬評になっているのかなとは思いますが、それでも終わってみれば、様々あっと驚く結末が待っていることでしょう。

今日は、まずJ1の予想を。要らないと言われそうですが、一応少しずつ根拠も書いて、去年まで前ブログでやってたキープレイヤーについても併記という形をとってみます。

1 F東京 キープレイヤー:渡邉千真
一昨年までの広島と似てるんですよね。「良いサッカーはするんだけど・・・」という。ただ、昨季最終節が象徴するように好調時には度々鮮烈なイメージを焼き付けた就任1年目のポポビッチ流は「継続」路線で少なからず上積みも出てくるでしょうし、在籍する選手の質・量も依然、J屈指の水準にあります。昨季は過密日程に加え、最終ラインに故障者が相次ぎ、不調に陥りましたが、今季は日程面で余裕がありますから、だいぶ違ってくるはず(近年、ACL出場組はなかなか頂点に立てていません)。
懸案の得点力についても、切り札のヴチチェがフルシーズン在籍することに加え、昨季の終盤は千真あたりもだいぶフィットしてきていました。東なのか、李なのか、もちろんルーカスでもいいですが、梶山や羽生の抜けたトップ下にきっちり収まっていくなら開幕から好スタートを切っていけると思う。夏の市場で高橋、李あたりがどうなるかという不安はありますが、あまり上がりすぎていない下馬評も追い風に(?)今年はここをてっぺんに置いてみました。

2 浦和 キープレイヤー:興梠慎三
「大型補強をしたから」がたいした根拠にならないのは近年の結果が如実に表してはいますが、今年の浦和はベースの戦力を失わずに、かつ質や層の薄い箇所を中心に実績豊富な実力者を加え、ACLとの掛け持ちも見据えた分厚い戦力をつくり上げることができましたから、「的確な大型補強」に成功したと言える。特にシステム上きわめて重要な両ウイングバックとセンターフォワードに充実度が増しており、そこがさらなる強みとなります。

3C大阪 キープレイヤー:エジノ
最初、もっと現実的な位置にしようと思っていました。ただ、レヴィーが言うとおり、控えのメンバーを組んでみたら、これが想像以上に分厚い。浦和同様ベースの戦力を失わず、かつ両サイドバックやシャドーにピンポイントの好補強を施したことで、状況に応じた起用の幅も大きく拡がっています。
10年の躍進時は前半は真司、後半はアドという得点源がいたのも大きかったですが、際立ったのは布陣のバランス。前の方に守備に汗をかける選手がいて、ボールをしっかり持てる選手がいて、収められる選手もいて、潰し役になれる選手もいて、ゆえにサイドバックが長い時間高い位置でプレーして、攻撃性の高さを活かす得意な形も多く作れた。また、ここぞでセットプレーから得点する能力のある選手がいたことも大きかったですよね。
その意味では、今季それに近いメンバーが揃っていますし、あとは1トップのエジノ。彼が開幕からチーム全体に、あるいは得点源として期待される柿谷のパートナーとして早々にフィットしていけるなら、夏場の戦力ダウンもおそらく避けられそうなシーズン。客観的に見ても、3年前の再現は可能だと見ています。

以下、なるべく短めに。

4広島 キープレイヤー:佐藤寿人
完成度の高さは文句なし。大きな補強をしなかった分、過密日程の中で、昨季の清水、石川、ソッコのように新しい戦力が台頭してくる期待も抱けるでしょう。ただ、それでも「二足のわらじ」を履くには層の薄さは否めず、連覇には手が届かないと判断しました。ACL組に総じて言えることですが、やはり開幕ダッシュに難しさがあり、出遅れるとなかなか戻せないんですよね。。

5鹿島 キープレイヤー:中村充孝
優勝予想の人も割と多くて、そこはダヴィに関する評価の差が絡んできているというところでしょう。ただ、彼がどうであれ、セレーゾ体制の勝手知ったるベテランも多く健在で、スタートは彼らが多くスタメンを担っていくことになるでしょうから、昨季のような開幕の失敗もなく、無難に上位争いには食い込んでくるはず。
ただ、長いシーズン、アツタカだったり、前野だったりの新戦力、あるいは既存戦力なら昌子、梅鉢あたりがいかにその座を脅かしていくかだと思うし、その流れがなければ、失速して中位フィニッシュとなってもやむを得ない。

6柏 キープレイヤー:田中順也
過小評価だとは思うし、評判の悪いクレオもワグネルが開幕前と開幕後では早々に評価が逆転したように、まだ下馬評通りフィットする可能性はあると思うのですが、どちらかと言えばACL型のシーズンになりそうな気がして、リーグでは今ひとつというACL制覇した年のガンバみたいなイメージが沸きました。いや、すげえ抽象的な予想なのですが・・・ただ、このあたりの勝ち点差は去年みたいに、ホント最終戦までACL圏を争うような形だとは思っています。ちなみに個人的なキーマンは田中。他クラブのサポからすれば、決め手を持っている非常に優秀な選手だと思うのですが、なかなかチャンスに恵まれない印象なので、今季は再ブレイクして、代表復帰を目指してほしい。

7名古屋 キープレイヤー:田中マルクス闘莉王
闘莉王やケネディのコンディションが整わずに開幕を迎えることがマイナスだし、チーム自体もなかなかポジティブな要素を見つけきれないのが正直なところ。それでも、個々の選手に地力はあるので、当面の1トップ矢野や黄金ルーキーのCB牟田などのパフォーマンス次第では、しっかり開幕から流れを作っていける可能性はある。

8川崎 キープレイヤー:パトリック
戦力はあって、点をとれる選手もいるので、ハマれば鮮烈な印象を残す時期がありそう。ただ、全般には波の大きさを否めず、中位という予想。嘉人は応援してますが、果たして決め手になれるほどなのかどうか。少なくとも戦術的な意味においてはパトリックをキーマンに挙げるほうが遥かに妥当だと思います。

9清水 キープレイヤー:石毛秀樹
直前のPMで大負けした上、LSBのイ・キジェが開幕絶望とネガティブ要素は多いのですが、過去にどんなクラブで、どんなスタイルであれ、着実にフィットし、二桁得点を上げてきたバレーという柱がいますし、彼を中心に高木、石毛、八反田ら若手アタッカーの伸びにも期待できるので、降格するような事態にまでは至らないか。質は保証できる最終ラインの層が薄いのは不安。

10仙台 キープレイヤー:渡辺広大
はじめてのACL。セレッソの経験も踏まえ、苦労するのではと予想しましたが、底力はあるクラブなので、今年も評価を覆し、快進撃を見せるかもしれません。
ただ、昨季の最終ラインに上本、鎌田、菅井と故障者が多く出ており、大きめに陣容が入れ替わっているのがやや悩みの種(LSBのパクも昨季限りで契約満了)。もちろん、渡辺、石川、和田ら代役も実力者ではあるのですが、過密日程やACLのハードな戦いの中で、故障者やコンディション面の不安は続くと想定せざるを得ないところで、そうなると選手層の点で、現段階としてはあまりポジティブになれる要因が少なかった。

11磐田 キープレイヤー:山田大記
攻守にタレントは揃っていますし、層も厚くなった。上位進出を果たしても不思議ではないでしょう。それでもこの位置というのは、それだけ各クラブに力の差がないということに尽きる。

12鳥栖 キープレイヤー:豊田陽平
継続性があって、戦力的にも岡本、クナンのダウンは痛いとはいえ、穴埋め出来ていますから主砲豊田の残留も含め、昨季のような結果・内容を残すことも可能でしょう。ほんの少し噛み合わないところで、2シーズン目の難しさを経験すると予想してこの位置ですが、降格等についてはあまり心配していません。

13大宮 キープレイヤー:高橋祥平
今季は積極補強は影を潜め、東、河本と貢献度の高い戦力も流出と、昨季から上積みのない形でシーズンに入っており、その点はやや気がかりですが、まあ、いい補強をしたときも位置を変えなかったわけなので、今季もここが妥当なのかな(汗)

14甲府 キープレイヤー:ウーゴ
1位昇格のチームは近年降格していないという非常に危なっかしいデータに乗っかり、もちろん各セクションに実力者を補強できたこともプラスに捉えての残留予想。プレー・メンタル両方で要の存在である山本の開幕絶望でものすごく心が揺るぎましたが、辛抱強く戦って、勝ち点をもぎ取れるチーム力のさらなる成長を期待して圏内に残します。当然「ポストダヴィ」であるウーゴにかかるものは大きくなってきますが、彼もここまではまずまずの評価を得られているのは安心材料。ただ、昨季フェルナンジーニョを獲ったように、状況に応じた夏市場での補強も必要、かつ鍵となってくるでしょうね。

15新潟 キープレイヤー:レオ・シルバ
降格圏予想にしていましたが、PMでの仕上がりの良さ+圏内に予想していた湘南に対する不安要素の多さで繰り上がりに。例のごとく主力が多く抜けていますが、これまでも苦境を逞しく乗り越える伝統を築いて来ましたし、組み立てのキーマン、レオ・シルバをはじめ、クナン、岡本、田中達也と新戦力の評価も上々なのは救い。
ここのところ開幕から数試合でつまずくケースが続いており、その点ではセレッソとの開幕戦は両方にとって大きい。特に新潟は、そのあと、広島、大宮、浦和、仙台と続いていきますからね。

16横浜M キープレイヤー:端戸仁
小野、大黒が開幕前に一気に抜けたという部分をクローズアップする人も多くて、予想以上にここを降格候補に入れてる人がいたりするのですが、それも一面というか、同じくらい気になってるのが、今季サブのメンバーがやたらグレードダウンしてますよね。なんなら、高齢化が進む主力陣から定位置を獲らなきゃ行けなかった選手が多くチームを放れ、変わって加入したのは素材はいいだろうけど、いかんせんまだJ1での実績がない選手たちが殆ど。守りに関しては、まだ中澤、栗原が抜けても、富澤あたりがいますけど、攻撃面ではマルキ、中村の代役が思い浮かばない(藤田、エヒメッシ、端戸あたりなんだろうけど・・・)

まあ、こういう順位に予想したわけですから、どうしても厳しいことばかり書く形になってしまいますよね。マリノスに限らず、ほとんどのクラブに関して、上のような突っ込みどころのあるネガティブ要素を折り込んだ上での降格予想を展開できてしまうのが今のJ1が内包する面白さと怖さです。

17湘南 キープレイヤー:遠藤航
独特のアグレッシブなスタイルで前半にうまく勝ち点を稼ぎ、逃げ切りという青写真を描いていたのですが、開幕前の実戦で結果を出せておらず、失点を重ねています。3年前のJ1を経験している若きディフェンスリーダー遠藤を怪我で欠く現状が如実に現れている感があり、前半戦の流れに好印象を抱き切れない以上、圏内に予想するのは難しかった。いくつか理由があって応援しているクラブでもあり、そこらへんの不安を応援している理由の一つでもある(笑)東美やフルあたりのベテランがうまく補えればという期待はあるのですが・・・

18大分 キープレイヤー:木村祐志
ハードワークが浸透したスタイルで勝負強さにも定評があるだけに、既存の戦力にJ1経験豊富な実力者を加えたオフの好動向含め、買いたい要素は多いんですよね。ただ、代わりにどこを落とせばいいのか・・・という消去法でどうしても浮上できなかった。
無名の選手でも西、木村、安川などセンセーショナルを起こしうる逸材は多く、自分たちのスタイルを貫いた先にどんな結果が待っているかには純粋に興味があります。ぜひとも予想を覆す活躍を見せて貰いたい。いずれかのカップ戦で強いインパクトを残す予感も。