とっくに2月になってるぞという突っ込みがあると思いますが、あくまでキャンプ前を区切りに今オフの補強を見ていこうという趣旨になっています。その割にキャンプ以降の情報も入ってるぞというツッコミは今後多く出てくることでしょうけど、そこは入ってきたものはしょうがないじゃないかというスタンスですw


投手の△は左腕 野手の△は左打ち 野手の◎は両打ち


IN
石山泰稚  投手  ←ヤマハ(ドラフト1位)
小川泰弘  投手  ←創価大(ドラフト2位)
田川賢吾  投手  ←高知中央高(ドラフト3位)
△江村将也 投手  ←ワイテック(ドラフト4位)
星野雄大  捕手  ←四国IL・香川(ドラフト5位)
谷内亮太  内野手 ←国学院大(ドラフト6位)
大場達也  投手  ←日立製作所

藤田太陽  投手    ←西武
△岩村明憲  内野手  ←楽天

OUT
小野寺力  投手  →引退(西武球団職員)
一場靖弘  投手  
△加藤幹典  投手  →引退(ヤクルト本社職員)
△渡辺恒樹  投手  →ヤクルト・打撃投手
山岸穣    投手  →引退(西武球団職員)
木下達生  投手  →引退
上野啓輔  投手
福川将和  捕手  →引退(ヤクルトブルペン捕手)
麻生知史  内野手
◎福地寿樹  外野手 →引退(ヤクルト2軍コーチ)
宮出隆自  外野手 →引退(→ヤクルト2軍コーチ)
△北野洸貴  外野手
曲尾マイケ 外野手 
ドラフト評価 75点
表1位は「神宮の星」東浜になるかと思われたのですが、選択したのは藤浪。これに関しては意外に平井(09年)以降高卒投手はしてしておらず、即戦力で行けるならもちろん、ある程度じっくり育てる土壌や余裕もあったというチーム状況、その意味でも意図は十分に感じる指名でした。

ただ、これを外して1位指名した石山に関しては、少なくとも市場において「1位級」と評されていた投手ではないだけに、評価は分かれるところ。ここ数年のドラフトではやや下馬評の低い位置にいた選手を上位で指名するような「独自路線」の印象も強く、社会人出身で2年間振るわなかった山本哲(09年の2位)が昨季3年目にしてブレイクしたように、まだまだその「流れ」に対する一定の評価を下す時期には立っていないのが現状といったところですが、昨年も4人(育成枠含めると6人)の大社投手を獲得しながら、長期離脱を余儀なくされた選手もいたりで全員が1軍未登板(シーズン後昇格のウーゴのみ登板)に終わっているだけに、今年新たに4人の大社世代の投手を指名していることに多少編成としての「想定外」や構成のアンバランスさを感じるのは確か。

もっとも、由規山本斉らそれ以前に在籍している選手たちも含め、故障を抱える投手の多さは悩みどころで、「投手は一人でも多いほうがいい」を地で行くチーム状況であることを考慮すれば、それも上位定着への「最善手」であると理解することは出来ますし、野手もピンポイントで素材のいい選手を抑えていますから、育成畑の優秀さ も相まって、「世代交代期」にあるここ何年かをどうにか上手く乗り越えていけそうなのは「チーム力」の高さがなせる業なのでしょう。今年以降のドラフトで大きく方針を転換させるべきような「歪み」には繋がっていませんから、とりたてた減点要因にはなりません。

大社世代の中でも「大学生」と「素材型」の多かった昨年に比べ、「社会人」の比率が多く、特徴にも秀でた「実戦派」の印象が強い投手を揃えた今年は、2位の小川、4位の江村を含め(7位大場は順位としても素材としても2年目以降でも~のニュアンスではありそう)「即戦力」の要請は一段高いものになりますが、1人、2人とそこにきっちり応える働きが出来れば、今の点数も、より高い水準へと上積みさせることができるでしょう。
その上で、唯一の高卒指名田川、いよいよ「晩年」の色が濃くなってきた相川、宮本の「後」を見据えて、きっちり大社世代の戦力で層を厚くしてきた捕手(星野)、遊撃、もしくは内野のオールラウンダー(谷内)といった指名が来年以降にしっかりと戦略上の「幅」として、活かされて来るならば、言うことなしといったところ。なんだかんだで上手いこと指名してるなあというのが率直な感想ですね。

その他補強 80点
主軸を担う優良助っ人バレンティンミレッジの慰留に成功したばかりか長期契約締結にまで至ったことは両外国人の若さを考えても今オフ一番の補強となったと評すことが出来るでしょう。巨人をはじめ、阪神、ソフトバンク、DeNAと資金面の潤沢さを生かし、獲得を目論む球団は多いはずで、それらの「札束」の前にいくども苦汁をなめてきた球団(まあ、煮え湯を飲まされた相手はほとんどが巨人ですけど、現状獲得に動きうる球団という意味で)が昨季限りで退団した林昌勇に続き結んだ「長期契約」に関しては、賛否があるとは思いますが、資金的劣位に立つチームの「抵抗手段」として基本的には評価しつつ、その後の「マネジメント」に関しては、また時系列で評価・採点としていく流れが妥当なのかなと。

一方、他球団からの補強手段としてはフリーで獲得したベテラン2人のみと小幅な動きに留まっています。右腕の藤田は中継ぎとして「ヤクルト再生工場」での再起が期待される存在。球威に目立った衰えはなく、うまくフィットできれば、かつての遠藤政隆、萩原淳あたりに近い活躍も想定できそう。
一方、7年ぶりの古巣復帰となった岩村はここ2シーズン楽天で鳴かず飛ばずの成績に終わり、瀬戸際で迎える一年。キャンプ序盤から精力的な動きが目立ち、「復活」への強い意欲を見せています。
年齢的にも、まだまだ「もう一花」への期待は抱きうるだけに、手を差し伸べた古巣への恩返しを果たすためにも、あくまで狙うは「レギュラー三塁手」の座のみでしょう。

総合評価 77点
あえて、縁起の良い点数にしてみました(笑)
総合としては、まあ書いてきたとおりかなと思いますが、福地宮出とバイプレーヤーが引退した分も、比屋根上田三輪飯原あたりの中堅・若手が埋めてこそというのがブレないチーム方針ですし、主力中の主力が抜けるシーズンではなかっただけに、あえて大掛かりな動きは見せずに、着実な戦力のブラッシュアップに務めたストーブリーグだったのかなと。今後については、選手枠を見る限り、外国人用に1つは残っているかなという感じなので、現在4人という状況下、当然怪我などがあれば、補強に着手できるよう準備はしているでしょう。

ひとつ気になったのは、これまでそれなりに積極的だった育成選手の指名・育成に関して、今季は加入0、退団4で所属人数も一気に2人まで減ったこと。コレに関しては、球界全体の流れにもなってきているところで、あくまで現状の制度下において合理的な範囲で枠を活かしていこうという趣旨でしょうから(そうでないと、指名された側も報われない結果になってしまうというケースがあまりにも多かったですから)、やむを得ないところではあるのかなあ・・・と。
ただ、今季退団した4選手に関してはまだ成長の余地がありそうだっただけに(マイケなんてWBCの候補にも選ばれてますしね)、もう少しなんとかならなかったのかという気はしますね。

投手の徳山、外野手の佐藤貴と支配下入り目前まで地力・実績を蓄えてきた2人が今季順調に支配下まで上り詰めたとすれば、オフには今後スリムな形であっても、育成枠という枠組みの中で選手を確保していくのか(他球団のように長期離脱選手を保持するシステムとしてに余地も含め)否かが判明していくことになると思いますが、育成枠という手段の目的さえしっかりしていれば、うまく運用していけるノウハウを持ったチームですし、資金的に限界がある上、どうしてもけが人などが多くて層が薄くなっちゃうところがありますから、個人的には今季くらいの規模でもいいので、継続の方向で行ってほしいなとは期待しています。