今回は先場所こそ大きなチャンスを逸したものの、昨年初~秋場所すべて勝ち越しとまさに伸び盛り。錣山部屋2人目の関取へ間近の印象も強いモンゴル出身青狼の特集です。

青狼武士( 出身:モンゴル 年齢:24歳 所属:錣山 身長:186センチ 体重:129キロ 初土俵:平成17年7月)


<プロフィール>
横綱朝青龍(当時)が自らスカウトに訪れ、入門を決意。
当時外国人枠に空きのあった錣山部屋に入門の運びとなり、 平成17年7月に初土俵を踏んでいます。
初土俵から2年半で幕下まで進みますが、体重100キロ前後で推移する軽さが仇となって、なかなか自分の形を作れない多くのモンゴル出身力士が辿った道を歩む苦しみも。初土俵から5年目の22年下半期以降、漸く幕下定着を果たすようになっていきました。
その頃から課題であった体格面でも場所ごとに厚みを感じるようになってきて、取り口も前向きな方向に変わっていき、それに伴ってコンスタントに自己最高位を経験していくという好循環に。これも多くのモンゴル出身力士が通ってきた道ですが、この力士もそういう「伝統」を良く受け継ぎ、12年の土俵は東36枚目で迎えた初場所以降実に5場所連続勝ち越し。去る九州では関取目前の東2枚目までその地位を躍進させました。
その場所では、明らかに硬さの目立つ相撲が多く、独特の緊張感に苦しんだ印象。3勝5敗(千秋楽に8番相撲勝利)と負け越しとなってしまったのは残念ながら、地力向上著しく、新年の飛躍が期待できる存在であることに変わりはないでしょう。

入門のキッカケとなった朝青龍とは風貌が非常によく似ており、体つきも上がってきた頃の朝青龍に近くなってきた。出世のスピードではだいぶ遅れを取りましたが、地力的にも十両昇進は「時間の問題」と評してもいいレベルに達していますから、年齢面を考えてもぜひ1年後には幕内を視野に入れる(もちろん、既に達しているなら尚良しですが)くらいの位置には上っていてほしいなと期待しています。

<取り口>
左前廻し狙いで踏み込んで、右四つ左上手が十分(左四つでも普通に取れますが)。130キロ近くまでビルドアップされてきた体重の恩恵によって、押されなくなるどころか、逆に立合いの踏み込みで勝り、前傾で一歩・二歩と押し込めるようになってきたことで取り口もグッと安定し、ここ1年の急成長へと結びついています。
とりわけ、押し相撲の実力者である益荒海、栃飛龍相手に鋭い踏み込みからの左前廻し、嫌うところを構わず突き立てて一気に土俵際へと殺到する相撲が際立った昨年秋は5勝のうち、4勝までが押し出し、押し倒しでの決着。これまで数えるほどしかなかったこれらの決まり手を気持ち良いほどに並べ、初の一桁番付で大勝ちしてみせたことが番付・内容両面における成長を示す証左といえるでしょう。
ただ、九州は上述したとおり、関取昇進へのプレッシャーもあったのか、明らかに硬さの見える取り口が多く、踏み込み負けする相撲、立合いの変化に落ちる相撲、立ち合い変化に活路を見出す相撲と軸のできつつあった立合いで苦しみましたし、流れの中でもバタバタした動きが目立った印象でした。ズルズル行きたくない初場所、しっかり修正して、秋のような立合いの鋭さを取り戻せるのか注目して観ていきたいところです。

今後の課題は、それでもまだまだ細い部類ですから、継続して「より分厚く」への模索が必要となってきますし、取り口としても、悪い時はまだまだ深い上手で振り回したり、足技での打開に頼ったり、連続して引き技に行ったりという雑な相撲が見られますし、そうでなくても上手を取ってからの流れで攻め手を欠き、長引くケースもありますから、例えば崩すとか廻しを切るというような、緻密な要素を
もう一回り以上高めていく必要があるでしょうね。
まあ、そのあたりは朝青龍でも日馬富士でも、もちろん同門の大関鶴竜でも、数えきれないほど勉強する資料・材料はあるわけですから、意識して取り組めば、きっと変わってくるでしょう。

これまでも多くの同胞、とりわけ自分より後から入門してきた力士たちに先を越され悔しい思いをしてきましたが、九州でも兄弟子ながら同門、長く近い位置で競い合ってきた鏡桜、そして自分より3年入門の遅い東龍と2人のモンゴル出身力士が関取昇進を果たしました。
同じような、あるいはそれ以上の悔しさを持って、新年に挑んでいるはずですし、その点、ここ半年ほど十両中位~幕下上位あたりにモンゴル出身力士が顕著に多く在位して出世競争をするようになっていますから、彼にかぎらず、それぞれが互いを格好の刺激材料として、影響を与え合っているのだろうと思います。
ともあれ、そんな活力もフルに注入しながら、まずは目前の感を強めつつ有る十両昇進を狙う上半期の土俵。上でも書きましたが、何とかそれくらいまでには決めて欲しいと期待し、応援しています。


次回は2~3日後になると思いますが、千賀ノ浦部屋の齋心をピックアップしたいと思っています。今場所前については、ひとまずそこで打ち止めとする予定。
本来、今場所の地位で考えれば、九重コンビ(丸と皇)でも良かったのですが、いかんせんアメーバのほうで何度となく書いてる力士なので、若干気乗りしないところがありまして(汗)、来場所スンナリ5枚目以内に入るか、もしくは一気に全勝で十両昇進を決めるなら、春場所までに書きたいなと考えています。

その他相撲関連に関しては、金曜日に幕内&三賞関連の予想、土曜日に十両以下各段優勝の予想を行う予定。余裕があれば、隙間に前ブログ終盤に長々と書いたもののの要約的に今年1年の展望をごく簡単に書ければなと思っていますが、まあ、オリックスの人的補償とかそこらへんとの噛み合い次第ですね。