予告通り、幕下以下から厳選した個性派力士を10人紹介いたします。何分範囲が広い上、泣く泣く線から振るい落とした力士も多数いますことはご了承ください。

幕下
祥鳳(大阪 31歳 春日山 181 118)
11年5月の技量場所以降、弓取り式を務めていることでも知られるベテランは、角界に輩出される学生出身力士としてはきわめて珍しい立命館大相撲部出身。長くヒザの故障に泣き、1場所に2番、3番立ち合いの変化に勝機を求めることも少なくない曲者力士だが、はじめて5枚目以内の地位も経験した12年は、立ち合いの「動き」を警戒する相手の意表をついて一気に押しこむような内容も見られた。
新横綱誕生により、伊勢ケ濱部屋の力士に弓取りの地位を譲る見込みで、見納めは地元春場所になりそうだ。それまでに関取の地位を掴むことが出来れば、何よりの「門出」となるが・・・

朝天舞(宮城 31歳 高砂 172 108)
三十路を過ぎて、なお最高位を更新する小柄なガッツマン。感情むき出し・闘争心満点の土俵態度は必見だ。
以前は豪快な一本背負いを見せるなど「業師」のイメージだったが、ハズにかかって押し上げる正攻法の取り口を向上させ、コンスタントに幕下上位に顔を出すまでの力をつけてきた。遅咲きの関取昇進へ勝負の一年!
本名からとった朝花田に始まり、朝道龍、朝縄と改名歴も豊富だが、今の四股名が一番似合っている。

天一(新潟 35歳 北の湖 176 140)
初土俵同期に関脇北勝力(現谷川親方)、元幕内琉鵬ら。関取経験のある同期は既に現役を退いたが、同期の錦風(尾車)とともに、幕下~三段目上位で存在感を発揮し、若手の壁となっている。
張り手も交えた気風のいい突き押しからタイミング良く引き技を繰り出す取り口にも錆はない。 勝ち名乗りを受けるときに、ヒザをぱちんと叩く所作は幕下以下のファンにはすっかりお馴染みだ。

旭大星(北海道 23歳 友綱 181 100)
角界入門からの半年間に密着したドキュメンタリー映画「辛抱」の主役となっていたことでも知られるナイスガイ。柔道経験があり、通算決まり手の上位に裾払い、ちょんがけ、蹴手繰り、二丁投げなど豊富な足技を取り揃える。
同時期にデビューした旭日松とは水を開けられたが、細身の形を少しずつビルドアップさせつつ、動きまわっての足技に勝機を見出していた取り口にも前への圧力が宿り始めた。幕下定着を果たした12年に続き、さらに上へ!もう一回り分厚くなってくれば・・・

右肩上(山口 24歳 大嶽 174 150)
前師匠(元貴闘力)によって命名されたユニークな四股名が話題となってからはや3年半。一進一退が続いているが、昨年ははじめて幕下30枚目以内に進出とコツコツ地力を高めている。四つになっての長い相撲が多く、丸い体で前に押しこむ力がつけば、さらに上を目指せる。
難病であるベルテスを患い、股関節や骨盤の動きにハンデを抱えながらの土俵を続けていることはあまり知られていないが、それでも幕下定着の地力を蓄えたのは立派。それを評価しているからこそ、現大嶽親方も「もっと上の地位を目指して欲しい」と取り口への注文が厳しくなる。


三段目
宇野(島根 20歳 八角 177 114)
近年の角界においては「絶滅危惧種」に指定されていた感さえある「足取り」の名手が久々に現れた。精鋭揃いの23年技量場所デビュー組の中で決して派手な出世ぶりではないが、小さな体にガッツいっぱいの取り口で、入門2年半にして幕下を見据えられる地位までやってきた。最高位を更新し続けるここ数場所でも毎場所のように決めている足取りがいつ出るか、またその他にも捻りや切り返しなど多彩な技に注目したい。中に入ってからの「型」を身につければ、将来的にも楽しみ。

大露羅(ロシア 29歳 北の湖 193 273)
角界最重量を誇る巨漢はぜひとも生観戦でその姿を体感して欲しい一人。とにかくデカい。

出羽の郷(埼玉 42歳 出羽海 183 120)
34歳での遅咲き新十両が話題となったのも、7年半以上前のこと。その後空き巣を現行犯逮捕した06年3月にも思いがけず「話題の人」となったが、それから数えても7年近い歳月が流れた。
42歳となった今も筋肉質の体型を維持し、三段目上~中位を定位置に得意の廻しを引けば力強さを発揮する取り口は健在。長らく関取誕生から遠ざかっている名門部屋に活気が戻るまで、まだまだ土俵を務める覚悟だろう。

嵐望(東京 40歳 貴乃花 183 177)
横綱曙、若乃花、貴乃花、大関魁皇ら多くの逸材を産んだ昭和63年春場所初土俵、最後の現役力士。同部屋同期同学年の貴乃花は現師匠、昨年、同世代最後の巨星魁皇が引退相撲を行った際には、同期代表として弓取り式を務めた。最近は三段目下位と序二段の往復ながら、古参力士として果たす役割は大きい。
四股名の読みは「らんぼー」。最高位幕下上位で、福の隆、福生の花の四股名でも長く土俵を務めた。

阿夢露(ロシア 29歳 阿武松 192 128)
ヒザの大怪我などを乗り越え、挟みつけて速攻の力強い勝ち身を習得。外国人史上2位(当時)のスロー出世で新十両を決めた12年初場所、10勝1敗の大活躍で迎えた12日目にまたもやヒザの重傷を負い、春以降の土俵を全休。あまりにも苛烈な運命を背負いながらも、再起を目指し、ひたむきなリハビリを重ねている。
初場所では1年ぶりに土俵に上がれるかもしれないとの情報もあるが、現在未確定。しかし、序二段まで落とした番付を戻し、もう一度関取の座へ返り咲くことを待つファンは多いはず。2013年、彼にもう一花の明るい未来が訪れることを願ってやまない。


ってことで、以上10人。もう少しカテゴリー別に分ければ、「色」がハッキリしたのでしょうけど、そこまでは手が回らずこういう形になりました。ぜひテレビやインターネットで、もちろん機会があれば、ぜひ生の土俵でその姿をチェックしてみてください。